大会長挨拶

第37回東海北陸理学療法学術大会
大会長 和泉 謙二
共立蒲原総合病院診療技術部

このたび第37回東海北陸理学療法学術大会を2021(令和3)年10月30日(土)から31日(日)の日程で、静岡県浜松市のアクトシティ浜松を会場として開催させていただくこととなりました。

理学療法士としての専門性はもちろんのこと、プロフェッショナルとしての自負が積み重ねた知識・技能に裏付けられ日常の臨床業務に成果を示せること、また取り巻く方々に向けた発信することのスキル自体も改めて考え直す機会とすべく、テーマ を「問われる臨床技能と発信力 ~今、求められるProfessionalism~」としました。

さて、理学療法士養成校の増加に伴う有資格者の急増は、急速に進む超高齢社会における医療あるいは介護現場からの求人数増加と合致し、結果的に幅広く活躍の場を得られました。しかし、社会が求めているのは知識や技術を有し、加えて地域を理解(精通)した人材であり、経験の浅い理学療法士が多くを占める協会員構成では、社会からの求めに十分応じきれていない実状があります。

理学療法士は地域包括ケアシステムにおいて、そのシステムを深化させる意味からキーパーソンであると言えます。動作を見て、環境を捉え、住まう方がどのように動けるかを評価し、その情報をもとに動作を改善したり、適応させるため道具を活用したり、周辺環境を整備したりする複数の手だてを有するProfessionalだからです。急性期、回復期、生活期(予防期も含め)、病期を問わず常に新しい情報を得つつ、時代の変化に適応した職業であり続ける必要があります。

理学療法士を取り巻く環境は、多職種協働が当たり前の時代となりました。多職種に向けてどう発言し理解してもらうか、対象者へのインフォームドコンセントとは異なる発信力が必要となります。相手にいかに伝えるか、いかに有用なことを胸に秘めていても、それがうまく発信できなければ意味を成しません。本大会においては、発信力という観点からも意味深い報告となるよう皆様方にも注視いただけますようお願いしたいところです。

コロナ禍により学術大会開催がいつまで制限されるのか未知な部分はございます。会場開催が可能なのか、オンライン開催とならざるを得ないのか、最終段階まで気を抜かず検討して参ります。

本大会開催時期には安心して浜松を訪れていただくことができ、「文化・歴史・音楽そして食」をご堪能いただけることとなりますよう切に願っております。

晩秋の浜松で皆様にお会いできますことを楽しみにしています。

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