大会長挨拶

大会長:稲員 惠美
静岡県立こども病院

大会長:稲員惠美(静岡県立こども病院)

 この度、第27回静岡県理学療法学術大会を2024年6月22日(土)、23日(日) 、会場はグランシップ静岡で開催させていただくこととなりました。開催にあたり一言ご挨拶させていただきます。
 本学会のテーマを「理学療法の真価」としました。理学療法とは生命活動をする「人」を主に対象としており、多くのセラピーでは直接的な介入を要し、理学療法士は多様な年齢や病態、病期に対応でき、医療はもとより、予防医学や健康増進、福祉事業に対応できる専門家集団として認知されています。  
 一方で、新しい社会のニーズに適応し、そこに生じる対価を見据えた、自由で多様な働き方が実践され始めており、理学療法士の果たす役割と創造できる資産価値が変化しております。経済的、社会的価値について検討し、皆様と考える機会にしたいと思います。
 また近年、科学的根拠に基づいた理学療法の実践が推奨され、さらに科学的根拠の有無も含めた知識を臨床応用するための理論的思考と、それに基づいた「実践的技術」をもって現場で結果を出すことが「人」を扱う上で最も重要です。現場で問題解決に臨む若い理学療法士のニーズは、この数年間にコロナ禍で失われた「実技研修」「対面指導」の復活ではないかと感じています。
 対面形式での本学会は講義形式中心から参加型研修形式中心で、5年以下の若手と6年目以上の中堅、どの世代でも聞きごたえのあるプログラムを、それぞれ準備しております。
 「公開講座」では乳児の認知・運動発達を親子で実践できる場として考えており、その後の相談コーナーも設置予定です。
 子育て世代が気軽に学会に参加できる場として、親子参加を可能としました。あるいは、「理学療法の真価」を次世代につなげるという意味で、こどもが両親の仕事を理解し、理学療法を知る機会となればと願っております。
 多くの理学療法士が 活発に意見・情報を交わし、現在求められている課題に対する理学療法の技術や知識はもちろんのこと、理学療法の未来について希望をもてる様な、意義深い大会にしたいと考えております。
 多くの皆様にご参加いただき、一人ひとりが心に留めるものを持ち帰ることができる学会として準備を進めて参ります。
 グランシップ静岡で、皆様のご参加を準備委員一同、心よりお待ち申し上げます。